石川梨園「にっこり」で閉園
早朝に 石川梨園の石川文雄さんから 電話があった
「『にっこり』の収穫が始まっているよ これが最後だからね 早くおいでよ・・・・」
電話を受け 今日の予定を変更して 石川梨園に向かった
石川さんは 笑顔で迎えてくれたが だいぶ お疲れのようだった
「年は取りたくないねぇ もう 身体が ついていかないよ」と 大きく息を吐いた
去年 閉園宣言をしたが 訳あって 今年の収穫で 完全閉園となる
梨の木も 閉園を知ってか 多くの実をつけ 味もいいそうだ
「いっぱい実を付けてくれて 豊作は嬉しいが 作業が困難になっちゃってね」と言いながら ゆっくりと 椅子に腰を下ろした
常連のお客様が 次から次へと訪れて 買い求めたり 宅配の手配をしながら 閉園を惜しむ声を漏らしていた
園内に入ったら まだまだ 多くの「にっこり」が 実っている
なんとか頑張って 収穫が終えたら まず枝を切って 次に 幹を切って 更地化の作業に入るという
この道一筋に励んだ梨栽培に ピリオドを打つ 石川さんの胸中を想うと 返す言葉が浮かばない
「石川さん 元気でね!」 これが精いっぱいの 贈る言葉だ
「うん 近くを通ったら 寄ってよ 待ってるからさ 待ってるよ」
いつもは 帰り際に 見送ってくれるのだが 今日は 挨拶を交わした後 椅子に腰を下ろしたまま うつむいていた
石川さん ありがとうございました