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2025年6月10日 (火)

映画「国宝」を観た

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6月6日に公開された映画 「国宝」を観た

歌舞伎界が舞台となる 175分と言う大作で 興味を持って 公開を待っていた

この映画は 任侠の一門に生まれながらも 歌舞伎役者の家に引きとられ 芸の道に人生を捧げた主人公「喜久雄」の50年を描いた壮大な一代記である

 

備忘録として 簡単にストーリーを記す

任侠の一門に生まれた 「喜久雄(吉沢亮)」は 美しさと歌舞伎の才能を 上方歌舞伎の名門「花井半次郎(渡辺謙)」に見い出され「部屋子」となり 女形の修行をする

そこで「喜久雄」は 「花井半次郎」の実子 「俊介(横浜流星)」と出会う

「喜久雄」は 別世界から 歌舞伎界に飛び込んだが 「俊介」は 名門の血筋を引き 生まれながらに 将来が約束されている

そんな二人が ライバルとして修行をし 女形の芸に 青春をかける

だが 二人の向かう道には 予期せぬ運命が 待ち受けていた・・・・

(ストーリーの備忘録は ここまでにする)

 

 随所に 「二人道成寺」や「二人藤娘」 近松門左衛門の「曽根崎心中」など 二人が演じる歌舞伎舞踊や芝居が 織り込まれていたが

いずれも吹き替えなしで 演者の「吉沢亮」さんと「横浜流星」さん 自らが 長い期間 稽古をして 体得したものだそうだ

冒頭のシーン 「積恋雪関扉」の 遊女「墨染」を演じる 「喜久雄(少年時代・黒川想矢)」の艶めかしさに まず 圧倒された

カメラワークも とても良い

 

私も 過去に 歌舞伎舞踊などに関係し 夢を見たことがあったので 「喜久雄」も「俊介」も 「私」が 演じているかのような錯覚に陥り スクリーンに前のめりになって 見続けた

二人の姿が 私の青春期に同化して 泣けた 泣いた

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(画像は いずれも 公式サイトより拝借)

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恥ずかしながら 私は 青年期以前から 歌舞伎俳優になる夢を 抱いていたことがあった

伝統芸能の歌舞伎界に入るには 「俊介」のように「名門」の子として生まれるか 「喜久雄」のように「部屋子」になるかの方策しかなく 不可能だが

大役は得なくても 端役など「大部屋」俳優になる方策を発見し 淡い夢を抱いた

国立劇場(日本芸術文化振興会)で行っている 「国立劇場養成所・歌舞伎俳優研修」に入れば その道が開けるのだ

入所要項を取り寄せたり 電話で問い合わせたり 直接 国立劇場を訪ねて話を聴いたりした

誰にも相談できず 親に無断で強行する勇気もなく ひとり悶々とする日々が続いた

結局 国立劇場の担当の方の進言を受け 趣味の世界で 歌舞伎舞踊を稽古することになった

後期高齢者になった今だから 恥ずかしさもなく言える 青春の淡い夢物語である

懸命だった純な青年「隆一」君を 褒めてあげることにした

もう一度 映画「国宝」を 観に行こうと思っている

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コメント

こんばんは、本日さっそく国宝を観て来ました。隆さまが言うように、もう一度観たい素晴らしい映画でした。歌舞伎が観たくなりました。最後の字幕を観て映画を作るのには、沢山のスタッフが関わっている事が、改めてわかりました。

おはようございます。私も、是非国宝は、観たいと思っていました。隆一さまの、歌舞伎好きは、何かに付き分かっていましたが、過去にそのような事があったことが今回わかりました。歌舞伎俳優になっていたら、遠い世界の人になっていたと思いました。私も医者になりたいと思っていましたがとても無理でしたが、医療界で働く事が出来ました。

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